文章リハビリ

この世はクソファッキン  だけどこの世はAll you need is love. (映画と本と音楽の感想と雑記のブログ)

名前をつけてやる/スピッツ

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魔女が残していった魔力

このアルバムには魔力がある。1度聴き始めるとアルバムの最後まで聴いてしまう、惹きつけられる、そんな魔力だ。いや何も絶対ではないですよ?用事とかで途中で切ったりすることはそりゃありますよ?

しかしこのアルバムは本当に素晴らしい。2002年リマスターの際に加えられた解説で、田中宗一郎氏がこのアルバムをスピッツの最高傑作としてロック史における大傑作と並ぶ本物の傑作だと褒めちぎっていた。ただスピッツの最高傑作かどうかは私にはもう、決めることができない。「スピッツ」と「ハチミツ」、そしてこの「名前をつけてやる」はまさしくスピッツの大大傑作であり、どれが最高かなんて皆さんも決めれないですよね?

ライド歌謡と草野マサムネが称しているこのアルバムは、隙だらけのようで実は全く隙がない感じの全11曲。40分に収まる11曲は、ほとんどがなんやかんや恋の事とほんの少し、冴えない暮らしの事を唄ってる。All you need is loveですね?草野マサムネ先生。

「名前をつけてやる」はきっと、恋人との日々をまるでペットと過ごす日々のように唄った曲。もしかしたら逆かもしれん。別れの晩が来て、そこで初めてこいつの名前を呼んだことがないって気づいて力いっぱい名前を考えるって曲。勝手にそう解釈した。このアルバム1番の私のお気に入りの表題曲だ。

それに「ミーコとギター」。これを聴いて胸がキュインってならない人はおるのか。おるのかと。さらに「プール」「待ち合わせ」「恋のうた」・・・これがスピッツだ!!

何かが始まると思わずにはいられない「ウサギのバイク」から最後の「魔女旅に出る」まで、文句のつけようがない。耳を惹きつけるメロディー、なんだか胸に残る歌詞のフレーズ。

これはもう魔法だ。魔力だ。

アルバムの最後で旅に出た魔女が残していった魔力が、このアルバムには詰まっているのだ。