文章リハビリ

この世はクソファッキン  だけどこの世はAll you need is love. (映画と本と音楽の感想と雑記のブログ)

ディナーラッシュ(2001)

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まさに”ディナーラッシュ

ついつい何度も観てしまう映画というのはあるもので、僕にとってはこの「ディナーラッシュ」がそういった映画の1本だ。初めて見たのは中学生の頃か、高校に入学した頃か。それから時間を空けて2,3年前に久しぶりに観てからは、ついついちょくちょく観てしまう。

ニューヨークのとあるイタリア料理のレストランの一夜を舞台にした物語なのだが、とにかくテンポが良くてあっという間に観れてしまう。99分と、もともと長い作品ではないのだが、数字以上にあっという間に感じる。

英語とイタリア語が慌ただしく飛び交う、スピード感溢れる厨房の様子や人気レストランを切り盛りするホールスタッフの仕事ぶり、癖のあるお客たちを見ているだけでも楽しいのだが、こってり描かれているわけでもないのに、それぞれの登場人物の人間模様も面白い。

どこをとっても独特のスタイリッシュさで、この作品の大きな魅力になっていると思う。

しかし、断じてこの作品は雰囲気映画ではない。

レストランのそれぞれのテーブルでの出来事や厨房でのやりとり、シェフとウェイターの恋模様など話はあちこち同時進行的に飛んでいくが、2人組のギャングとレストランのオーナーのルイスの睨み合い(直接睨み合っているわけではないが)という本筋になる部分が物語をしっかりと引っ張っていく。

物語の冒頭で、ルイスは親友をギャングに殺されている。そのギャングが今度は店を寄越せと店にやって来る。ルイスはどうするのか。この一晩で一体何をするのか。それが観ている方の頭にあるからこそ、ただでさえクソ忙しい一夜に独特の、これ以上ない緊張感が表れる。洒落た会話やスタイリッシュな雰囲気だけでなく、物語を引っ張る力が、きっちり存在しているのだ。

ラストシーンは初めて観たときはぶったまげたし、終わり方もクールだ。ついつい何度も観たくなる、お勧めの作品だ!

ちなみに、ブルーレイは発売されていないようで、それが悲しい。DVDやブルーレイは、CDほど熱心に収集しているわけではないけれど、1年ほど前に凄まじく遅ればせながらブルーレイデビューし、映像の綺麗なことにぶっ飛んだ僕は、それからと言うもの気に入っている作品はブルーレイで集めている。ようするにぜひとも「ディナーラッシュ」はブルーレイで手元に置いておきたいのです・・・。だから、ぜひ発売して下さい。お願いしますよ。