文章リハビリ

この世はクソファッキン  だけどこの世はAll you need is love. (映画と本と音楽の感想と雑記のブログ)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い/西尾維新(2002)

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いーちゃん

この真ん中の奴はパソコンじゃなくてワークステーションだよ」

「物語」シリーズ等で有名な西尾維新のデビュー作を読みました。「化物語」のアニメを数話観て、どうしてもハマれなかったので避けていたというか、嫌っていたと言っていい感じだったのですが、デビュー作がメフィスト賞を受賞していた事を知り読んでみることにしました。
本格ミステリのフォーマットでライトノベルをやったというか、ライトノベルの要素をぶち込んだというか、そんな感じでしょうか。
正直な所、主人公の「戯言遣い」っていうのにもう全くハマれなくて、ことあるごとに言う「戯言だよな」っていう台詞が、主人公の性格が、読んでいく上でノイズにしかなりませんでした。この主人公にハマれたら、本作はもっと楽しかったんだろうなぁと思います。Wikipedhiaによると、「このライトノベルがすごい!2005」「このライトノベルがすごい!2006」で、2年連続で男性人気キャラクターランキング第1位らしいですが、全く理解できません。さらに言うと個人的には、玖渚など、他のキャラクターも含めてキャラクター設定自体がもうミステリを読んでいく上でノイズにしかなりませんでした。
まあそれは置いておいて、もったいないと思ったのは、天才たちの扱いです。絶海の孤島に天才達が招かれ、そこで殺人事件が起こるっていうんなら、事件解決に至るまでの過程で天才同士の争いというか、論争というか、バトルみたいなものをもっと入れれば良かったと思うんです。プロットとしてはすごく面白いし魅力的なミステリになりそうなのに、天才たちが意外と普通の被害者、登場人物になってしまっているのはガッカリでした。メイド達がやたら尖った設定になってましたけど、あれもハマれなかったです。
主人公と玖渚友の過去やら、三つ子の眼鏡や占い師に散々コケにされた主人公の内面とか気になる部分はありますが、続き読んでも書かれないような気がしてます。しかも途中からミステリ要素を失ってただのバトルものになるみたいだし・・・。派生したシリーズもあるようで、色々手を伸ばすほどは正直今のところ、魅力感じないです。続きを読むかどうか考えものです。
首斬り、三つ子、どんでん返しと、面白さでは大きく劣りますが、僕の好きな麻耶雄嵩っぽさを少し感じた、極めて読みやすい作品でありました。