文章リハビリ

この世はクソファッキン  だけどこの世はAll you need is love. (映画と本と音楽の感想と雑記のブログ)

ジェイン・オースティンの読書会/ロビン・スウィコード(2007)

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ジェイン・オースティンなんて、一冊も読んだ事がねぇ。

実はだいぶ前から少し気になってましたので観てみました。読書会とはどんなもんなんぞや、という興味もありましたので。エミリー・ブラントが出演していてラッキー。

さて正直な所、本作には好感はまったく持てません。タイトル通り、オースティン好きの女性達による読書会が開かれるわけですが、5人とも正直いけ好かんのです。観ていると文学好きの女とはどいつもこいつもこんな風に、斜に構えてるというか、人をそこはかとなく見下しているというか、こんな奴らばっかりなのかと思ってしまうのです、僕は。「フォー・ウェディング」という映画が好きなんですけど、あれの仲良し組も、世間一般の人を俗物っぽい感じで少し馬鹿にしてるじゃないですか。あの点は嫌いなんですよね。なんとなく本作はそこが強調された感じを受けました。ただ、とても良いのが、読書会への唯一の男性参加者の、グリッグであります。彼は素直で、間抜けだけどマトモで、実に好感が持てます。しかもSF好きで、オースティンなど読んだことが無いのです。お話としても、女性ばかりの読書会に1人交じる青年がいるわけで、面白いです。

さて、読書会ではそれぞれが自分に都合よく物語を解釈し(誰だってそうかもしれませんが)、それを発表していきます。回を重ねるごとに話はもつれ、議論も微妙にヒートアップしていき、その構造自体は面白いんですが、そもそも登場人物それぞれが抱える悩みにさっぱりノレなかったので、「うーん・・・」という感じでした。レズの小娘はただの尻軽だし、離婚した夫婦はよくある話、フランス旅行がなくなってブチ切れる妻、勝手に独身を選んだだけの犬好きと、一体何を悩んでいるのかと思わずにはいられないわけです。6回も結婚したとかドヤ顔で言うおばあさんにはドン引きであります。というかそれで悩むのはわかるとしても、観てる方に共感できるように描かれていないのは僕の感性の問題でしょうか・・。小市民的な悩みというのは大好きでありますが、もう少し美しく描いて欲しいものです。実におめでたい連中の映画でありました。

エミリー・ブラントの役どころは、女性5人の中でも比較的好感は持てますし、義母のクズっぷりもありわりと同情してしまいました。というか演技が良いですね。僕が今まで観てきたエミリー・ブラントの役と異なり、わりと内向的で神経質なキャラクターですがうまい具合に演じていると思います。たださきほども書いたように「夫がフランス旅行ではなくNBA観戦を選んだ」とか言って泣いているのは(゚Д゚)ハァ?って感じです。フランス語教師なのに、渡仏経験が無くて、それがコンプレックスという事を差し引いても、(゚Д゚)ハァ?って感じです。