スノーマン
かつて、1度だが短期の郵便局の配達のアルバイトをしていた。
年賀状を配るために年末だけ募集されるアルバイトだ。
ある日、僕の住んでいる京都に珍しく雪が積もった。
僕は雪が積もる中、寒いけれども楽しい気持ちで配達をしていた。
いつも通り、住宅街の角に自転車を止めて家々に郵便物を放り込んでいると、おじいさんとその孫らしき女の子の姿が見えた。
雪が積もって、楽しそうにはしゃいでいる女の子とそれを見守るおじいさんだった。
おじいさんが女の子に、「そろそろ帰るぞ~」とかそのようなことを言った。
すると女の子はこう返事した。
「わたし、今雪と遊んでんねん。」
とても素敵な答えだった。
おかけで僕はそれから30分ほど、配達の疲れを忘れて自転車をかっとばすことができた。