文章リハビリ

この世はクソファッキン  だけどこの世はAll you need is love. (映画と本と音楽の感想と雑記のブログ)

風の歌を聴け/村上春樹(1979)

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「人並み外れた強さを持ったやつなんて誰もいないんだ。」

村上春樹のデビュー作、「風の歌を聴け」を久しぶりに読みました。

読みたくなって、本棚を探したけれど見つからなかったので文庫版を買いました。
久しぶりに読む「風の歌を聴け」は、以前読んだとき感じたほどではないけれど、相変わらず乾いてシンプルでさっぱりした文章が魅力的でした。どこかのレビューで読んだ通り、数人の登場人物がただ雑談をする、「それだけ」の作品で、けれどそれで結局のところ魅力的でした。シナリオも登場人物も、さして魅力的とは思えない。ただ文章が良いのです。正直な所、本作での鼠に特に魅力は感じない。随分前に読んだきりなので、よく覚えていないけど、「羊をめぐる冒険」で再登場した際にはすごく魅力的だった。ように思う。
それにしても村上春樹の作品に出てくる女性は、なんとも男に都合の良い存在であることが多いように感じるけれど、気のせいでしょうか。